「めいわくガリバー」
《あらすじ》
のび太が大きなヒーローに!
「めいわくガリバー」
近所の女の子に「ガリバー旅行記」の絵本を借りて読んだのび太は、自分もガリバーのようなヒーローになりたいと考え、宇宙のどこかに小さな人間たちが住んでいる星があるのではないかと言い出す。それを聞いたドラえもんは、気乗りしないながらも、自動的に人間が住める星を探して着陸する『宇宙救命ボート』を取り出し、小さな人間が住む星を探すよう設定する。
さっそく宇宙救命ボートに乗り込み、宇宙へと飛び立つ二人。まもなくボートは、とある星に到着。そこはなんと、本当に小さな人間たちが住んでいる星だった! 港を見つけて上陸したのび太たちに、星の住民たちは大さわぎ。しかし、声が小さすぎて何を言っているのかわからないため、『マイクロ補聴器(ほちょうき)』をつけてみたところ、彼らは二人を怪獣(かいじゅう)だと思い込んでいることが判明する。
のび太たちは、自分たちは正義の味方だと必死に説明するが、なんと戦闘部隊(せんとうぶたい)が二人に攻撃(こうげき)をしかけてきて…!?
《感想・レビュー》
絵本や映画など、物語を読んだり見たりしたら一度は「○○になりたい」、「△△みたいな体験をしたい」と願ったことがあるかと思います!私も子供の頃に、何度か心を躍らせた思い出があります!!
そして即行動に移すのが良くも悪くものび太くんです!!この広い宇宙のどこかに小さな人間が住んでいる星があり、そこに行く術はないものかと考えを巡らせます!!そしてドラえもんに頼み込み気づけば小人族の星に到着!!
ドラえもんならではのテンポの良さ!!!
ドラえもんとのび太くんは、小人族の皆さんの目にはこう映っているのでしょう!!
恐ろしい…。実際いきなり巨人が現れて「何か困ってることがないか?」と聞かれても、ないから早く帰ってくれと言わざるを得ませんねw
そして自衛隊の対応の早さよ!!国防がしっかりしていると感心してしまいました!!
海でも市街でも邪魔者扱いされた二人は小高い丘の空き地に家を建てることに!!
この星の住人から助けが求められるのを待つことにします!!そして間もなく来客が!?
苦情の来客~!!!
おりたたみハウスのせいで町一帯がすっぽり日陰になってしまい批難殺到…。さすがのドラえもんも申し訳ない様子で立ち去ることに!!
いやー、土地が空いてるからと言って好き勝手に使ってしまうと誰かの迷惑になってしまうということですね!!
では誰の迷惑のかからない山奥ならどうかというと、ダムの建設予定地だからと退去を求められ、海の上に家を建てたなら漁場を荒らすなと、どこへ行っても文句を言われてしまいます!!
現代の文明社会においては、便利である一方で自由がないのはどこの星でも一緒みたいですね!!まあ住民の方々が迷惑と感じてしまっていることは最初の問題ですが…。
そして住民たちの猛烈な反対運動によってドラえもんとのび太くんは地球へ帰還することに!!残念ながらこの星で歓迎され活躍することはできませんでした!!
地球に戻りのび太くんは気づきました!ガリバーの話は今の時代に合わないのだと!!
よくぞ気づいたのび太~!!
そうなんですよね、その時代にはその時代の、その星にはその星の生活や暮らし方がある!!それは私たちの暮らしや生活にも言えることです!異文化の人たちにいきなり自分の価値観を押し付けても、思った通りの結果はなかなか得られないのです!!今回の旅はとても勉強になったいい旅だったのでは??
のび太くんは絵本を貸してくれた女の子に、体験談をもとに作った新しいガリバー旅行記を聞かせてあげましたが「つまんない」と言われ終幕…。
この部分だけ見て終わると「のび太くんはじつにバカだな~」で終わってしまいますが、地球に戻ってからの気づいたことを絵本にまとめ女の子に読み聞かせるという行動力は尊敬してしまいますね!!私は気づいたことや改善点が見つかっても、「明日やろう~」と目を背けてしまいますのでw(笑ってる場合か)
私がドラえもんだったらきっと、のび太くんに試させもせずに理屈で宇宙行きを諦めさせてしまうと思いますが、ドラえもんはちゃんと実体験をさせて理想通りにはいかないことを教えてくれています!
さすがドラえもん!!
そんなドラえもんがひみつ道具を出す前後やのび太くんと共に冒険をしている際の心情を考えてみると、結果オーライもありましたが実に身のある教材となった宇宙旅行だったのではないかと思います!!